こんにちは、Yellow Monkey Brewing (YMB) 代表の駒田です。
いよいよ、「BEERVANA 2026」に出品する日が近づいてきました。これを書いている2026年8月19日、現地時間20:35現在、僕はニュージーランドのウェリントンにいます。
僕たちYMBにとって、この出品はかなり大きな挑戦です。
2024年3月、僕ははじめてニュージーランドを訪れました。南島のネルソンをホップ農場を訪れました。ケンゴがかつて学んだ「Fork & Brewer」をはじめとした現地のブルワリーを巡りました。
僕にとっては初めて尽くしのニュージーランド初訪問でしたが、ケンゴにとっては、ある意味で「里帰り」的な訪問でもあったのです。
あれから約2年半。
今度は、自分たちが横浜・都筑区で造ってきたクラフトビールを持って、ニュージーランドに戻ります。
YMB がいま挑戦していることのひとつが、「Japanese Style Beer」という新しいビールのあり方です。
世界には、American Style も、German Style も、Belgian Style もあります。
しかし、Japanese Style というものは、まだ存在していないのです。そして、何が「本当にJapanese」なのかという答えは、いま模索しているところです。それでも、現時点での仮説は持っています。
それは、1. クリーンで、2. 旨味があり、3. もう一杯飲みたくなるような余韻を残すビール。
清酒酵母、麹、米糠、昆布、鰹節、椎茸、日本茶。
日本の食文化や発酵文化の中に昔から存在してきたものを、ただ奇抜な副原料として使うのではなく、ビールとしてちゃんと美味しくする。
日本料理のように、派手さだけではなく、繊細さや旨味、余韻を楽しめるものにする。
今回、僕たちがBEERVANAに持っていく6種類にも、その試行錯誤が詰まっています。

まずは、YMBの現在地を最も分かりやすく表現しているKAIZOKU。
麹、米ぬか、鰹節、椎茸、昆布。
日本料理ではおなじみの素材から生まれる「旨味」を、軽快なラガーの中に組み込みました。
すっきり飲める。でも、なんだか奥行きがある。
僕たちなりの、「Japanese Umami Lager」です。

KAIZOKUに並ぶ、もう一つの定番 TORIAEZU。
清酒酵母とニュージーランド産ホップを組み合わせ、そこに麹や出汁由来の旨味を重ねています。
「IPAはビール酵母でつくらなきゃいけないの?」
そんなこと誰が決めたんだろう。
清酒酵母でIPAをつくったっていい。
ニュージーランドのホップと、日本の発酵文化。
今回のBeervanaに持っていく意味が、とても分かりやすい一本でもあります。

清酒酵母が生み出す、メロンや洋梨を思わせる吟醸香。
そこに麹などから生まれる柔らかな旨味を重ねた、8%のStrong Aleです。
華やかだけれど、最後はドライ。
日本酒をそのままビールにしたわけではありません。
日本の「発酵」という文化を、ビールという別の言語に翻訳したらどうなるのか。
そんな挑戦から生まれた一本です。

日本茶を使ったビール、ChaChaCha です。
茨城県の吉田茶園さんとのコラボレーションから生まれました。
日本茶の繊細な香り、旨味、そして静かな余韻。
それをビールの中でどう表現するか。
日本茶もまた、日本から世界へ伝えていきたい素晴らしい文化のひとつだと思っています。

こちらはニュージーランドへのリスペクトを、もっとストレートに表現した GOHOBI IPA。
ニュージーランド産ホップの鮮やかなフルーツ感を生かしながら、ジューシーだけれど重たすぎない、何杯でも手が伸びるような味を目指しています。
ちなみに「GOHOBI」は、もちろん日本語の「ご褒美」。
ところで、走ったあとに飲むビールって、なんであんなに美味しいんでしょうね!

そして最後は、Japanese Style Beer ではないけれど、ある意味でとっておき。
ニュージーランドのINVIVO Wineryのシャルドネ樽で、18か月熟成させた Barrel Aged Imperial IPA。
樽由来の香り、穏やかな酸味、丸み。そして9.5%という飲みごたえ。
仕込んですぐ完成するビールではありません。
時間そのものも原料のひとつ。
そんなビールをニュージーランドへ持って帰れることにも、不思議な縁を感じています。
こうして6種類を並べてみると、面白いことに気づきます。
麹、清酒酵母、出汁、日本茶。
日本からニュージーランドへ持っていくものがあります。
一方で、ホップ、ワイン樽、そしてケンゴが現地で得た経験。
ニュージーランドから日本へ持ち帰ったものもあります。
日本からニュージーランドへ。ニュージーランドから日本へ。
そして、もう一度ニュージーランドへ。
ビールが行ったり来たりしている。
人も行ったり来たりしている。
文化も行ったり来たりしている。
YMBのミッションは、
“Connect people. Spread positivity. Through beer and sports.”
「ビールとスポーツを通じて人と人をつなぎ、笑顔を広める」
ビールを真ん中に置いたとき、人と人が出会い、会話が生まれ、違う文化同士がつながっていく。
今回のBEERVANAも、そんな場所にできたらいいなと思っています。
「Japanese Style Beer」という言葉が、まだ世界で認められているわけではありません。
だったら、自分たちでつくってみればいい。
飲んでもらって、
「なんだこれ?」
と言ってもらえたら、ちょっとでも笑顔が生まれたなら、まずは成功です。
横浜からウェリントンへ。
YMBという小さな海賊船、いよいよ出航です。
Be pirates. Be playful.
Yellow Monkey Brewing
Founder & CEO 駒田 博紀