こんにちは、Yellow Monkey Brewing (YMB) 代表の駒田博紀です。
先日、YMBタップルームで開栓された「Fresh Hop Dandyism Stout」について、今回は舞台裏を含めてご紹介します。
実は、このビールを造るのには、かなりの肉体的負荷がありました。
ヘッドブルワーのケンゴが魂を込めてビール造りをしているのは今回も同様なのですが、今回のビールの素材となるフレッシュホップの収穫と運搬には、特別な努力が必要だったのです。
今回のミッションを箇条書きにすると、下記の通りになります。
・山梨県北杜市「小林ホップ農園」さんに、前日夜に冷凍車で前入り。
・早朝からのホップ収穫と選定。
・収穫と選定後、速やかに冷凍車で横浜市へ帰還。
・横浜市に帰還後、すぐさまビール仕込み。
クラフトビールの仕込みは、想像以上の肉体労働です。だから、僕としては冷凍車の運転を頑張ろうと思いました。というか、そこしか役に立てないからです(笑)
そんなわけで、レンタカーの冷凍車で山梨県北杜市まで行ってきました。
今回の旅の相棒は、軽自動車の冷凍車でした。
軽自動車なのは全く構わないのですが、その座席がなかなかのクセモノでした。全くリクライニングができない、直角の座席だったのです。
普段、自分がどれだけ車や電車の座席に甘やかされていたか、痛感しました。また、普段物流を担ってくれている人たちへの感謝の念が噴き出しました。
そんなことを思いながら、山梨県北杜市まで片道2時間半ほどの道のりを、ケンゴと二人、カッチカチの腰と背中で乗り切ったわけです。
※ 前日の宿と冷凍車の図。
こうしてカッチカチの腰と背中を抱えつつ一眠りして、翌朝は「小林ホップ農園」へ。
こちらで栽培されている「カスケード」と「チヌーク」というホップを、僕とケンゴで収穫してから選定する心づもりでいました。
ところが、当日は午前中から雨の予報。時間をかけてしまっては、ホップが雨で濡れそぼってしまいます。
そんなわけで、僕とケンゴが朝6時頃に小林ホップ農園さんに到着したときは、ホップの収穫は終わっていました。小林さんが、なんと朝3時から収穫をしてくださっていたのです。
小林さんに深く感謝しつつ、次にやるべきことはホップの選定です。
ベルトコンベアで運ばれてくるホップの枝や葉っぱ、あるいは茶色くなっているホップを取り除き、緑のフレッシュなホップだけを袋に詰めていきます。
もう、無心で取り組みました。気がつけば、2時間ほどが経過していました。
選定が終わったら冷凍車にフレッシュホップを山積みにして、横浜市都筑区のブルワリーにとんぼ帰りしなければなりません。なぜなら、フレッシュホップは新鮮であればあるほど良いからです。
慎重かつ迅速に、フレッシュホップを冷凍車で横浜市に持ち帰ってからは、ケンゴの腕が鳴りました。この時点で朝11時。ホップ収穫から8時間後となります。
そんな、年1回だけ造れる特別なビール。YMBとしてはじめて造るフレッシュホップを使ったビール。
その結果生まれたのが、「Fresh Hop Dandyism Stout」です。
朝摘んだばかりのカスケードとチヌークのグリーンなアロマと、ホップの成分であるルプリンからの樹脂のような深くて複雑な味わい。ニュージーランド産のチョコレートモルトのロースト感も味わえる、スッキリとした黒ビールになりました。
ところで、フレッシュホップを使った黒ビールというのは、あまり見かけません。
「見かけないなら、YMBで造ってしまおう!」ということで、このような実験的なビールが生まれました。
YMBタップルームではもちろん、YMBウェブショップで購入することができますよ!
是非、ご賞味ください!!
Yellow Monkey Brewing
Founder & CEO 駒田 博紀